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ツチダクリニック

【千葉県】 医療法人社団豊流会ツチダクリニック 院長 土田 豊実 先生に聞く 診察・治療・リハビリテーション―ツチダクリニックでの総合的取り組みへの挑戦

ツチダクリニック 院長
土田豊実 先生

施設概要

医療法人社団豊流会ツチダクリニックは,千葉県JR千葉駅から徒歩2分のところにある関節リウマチ(以後RA)のトータルケアを行うRA専門施設です.1980年以来RA一筋に研鑽してきた院長と 2名の非常勤医師がRA専任看護師,7名の理学療法士(以後PT)・作業療法士(以後OT)らと連携しながら,月平均約1,400名のRA患者さんを診ています.
当院に無い設備は入院ベッドと手術室だけで,MRI,3D-CT,一人用温水プール(フローミル),40分前後で結果報告可能な臨床検査室,点滴用チェアなどを備え,いわば「ベッドのないRA専門病院」とも言えるクリニックです.
また,来院される患者さんの利便性を重視して,1階に広い駐車場を確保し,総合受付とリハビリテーション(以後リハビリ)施設を2階に置き,診察室は3 階に配置しています.診察は医師が固定のチェアに座って患者さんを呼び入れるのではなく,患者さんに順次4室ある診察室に入っていただき,医師が診察室を回るという方式で行っています.

  • 圧迫感のない開放型MRI装置
  • 三次元CT装置
  • 院内検査で即日報告が可能
  • 点滴チェアも備えた処置室
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RAの薬物療法

1990年代までのRA治療は非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAID)と抗リウマチ薬(DMARD)だけに頼り,炎症が進行した患者さんには滑膜切除術や人工関節置換術が行われていました.
しかし最近では,関節破壊は従来考えられていたよりもずっと早く始まることがわかってきており,発症後1-2年間の対応がその患者さんの10年,20年先を大きく左右するという認識のもと,積極的な早期治療を重視するようになってきています.RAの病態は多彩で,なかには20年間も軽症のまま推移する患者さんもいますが,発症後数ヵ月で,抗CCP抗体やMMP-3などの臨床検査値が著しく上昇したり,大関節に支障が出る患者さんもいます.このような患者さんでは,Windows of Opportunityとよばれるこの時期の対応が大変重要です.したがって,当院では診断後直ちにMTXの投与を始め,2-3ヵ月の経過観察で症状が改善しなければ生物学的製剤とMTXの併用投与を開始します(MTX使用不可の患者には生物学的製剤を単剤投与).

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当院における生物学的製剤の使用

現時点での当院のRA患者数は1,743名で,30%弱にあたる463名に生物学的製剤を用いています.生物学的製剤を用いる場合,投与開始後2ヵ月で効果判定を行い,その後の治療方針を検討します.生物学的製剤が有効であれば,併用するステロイドを減量します.不応例へは併用するMTXの増量あるいは短期的にステロイドの増量を行います.
効果判定は疼痛や腫脹の程度などの臨床所見,臨床検査値,X線画像などに基づいて行います.経験的には3〜4週後に握力が改善する患者さんは2ヵ月後に有効と判定されることが多く,握力は効果判定予測の目安になるように思われます.
当院で生物学的製剤を投与している患者さんの約90%に全般的改善がみられています.そのうちの約30%はCRP, BSR, MMP-3, RFなどを含めた炎症の指標すべてに迅速な著明改善がみられます.なかには,投与翌日から改善を自覚する患者さんもいます.
生物学的製剤の使用を始めてから,寛解を維持する患者さんが増えたことに加え,滑膜炎を抑えるための滑膜切除術が必要となる患者さんの数が減り始めています.現段階では人工関節置換術の件数に変化はみられていませんが,その理由は生物学的製剤の投与を受けている患者さんの平均年齢は50代後半で.すでに非可逆的な関節破壊が起きてしまっているからだと思います.しかし,生物学的製剤には関節破壊抑制効果があることを勘案すれば,現時点で生物学的製剤の投与を受けている30歳代,40歳代の患者さんが10年後,20年後に人工関節置換術を受ける可能性は確実に少なくなると思います.
ヒュミラ®は,MTXが使用できない一部の患者さんへは単剤で投与し,その他の患者さんへはMTX との併用を原則としています.
現在当院ではヒュミラ®を36名(2009年8月4日現在)の患者さんへ投与していますが,一般的な認識と同じく,生物学的製剤未使用者のほうが他の生物学的製剤からの切り替え者よりも効果が高いという結果が得られました。
ヒュミラ®は,(1)マウス由来のたん白質を成分に含まないヒト型の抗TNFα抗体製剤である,(2)皮下投与製剤であるため,投与に伴う時間的拘束がほとんどない,(3)患者さんの自己注射で投与も可能という3つのメリットが特長だと私は考えています.

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安全使用のための診-診連携

ヒュミラ®はTNFαに選択的に作用するので,免疫力の低下発生リスクを考慮して使用しています.ターゲットセラピーという特性上,作用機序が明確なので使いやすい薬剤と感じています.
ヒュミラ®を含めた生物学的製剤投与開始にあたっては,事前に肺炎球菌ワクチン,季節性インフルエンザワクチンを接種します.投与開始までに時間的余裕があれば,帯状疱疹ワクチンも接種します.結核の有無などの内科的検診は,呼吸器疾患を標榜する専門医にスクリーニングとフォロー検査を判定していただき,仮に重大な感染症が発現した場合は,連携している内科の専門医の先生から三次施設に患者さんを紹介していただくという診-診連携体制をとっています.その具体策としては,独自に千葉県呼吸器内科マップを作成し,患者さんの居住地に近い医師を紹介しています.これにより私たちも患者さんも内科的事象への不安を払拭することができています.

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システム化されたチーム医療体制

スタッフ教育

当院では,スタッフ全員の専門性を極めるために,RA専任看護師の養成にも力を入れています. PT/OTも,入職後3週間程度にわたり専門病院やRAセンターで研修を受け,RAの専門知識を習得しています.また,RAとその治療法を解説した当院発行の「リウマチ通信」(通巻で約30巻)を教材としてRAを総合的に学習しています.さらに,週1回から2週に1回,看護師,PT,OTに対し,X線画像やMRI画像の読影までを含むRA診断・治療の講習会も開催しています.

チーム医療における役割分担

生物学的製剤投与前からの患者指導,患者さん用チェック項目リストや注射カレンダーの作成,注射手帳記入チェック,自己注射導入のための患者指導には看護師があたっています.
RA患者さんは,往々にして疼痛・炎症・腫脹のために手足を動かさなくなります.このため筋力低下や関節拘縮を招き,ADL,QOLが損なわれることが少なくありません.これを防ぐためには早期からの理学療法,作業療法が非常に重要です.当院では,医師の診察に加え,PT/OTがそれぞれの眼で患者さんを診て医師にフィードバックし,医師が検査結果などと総合的に判断してリハビリテーションのメニューを組み,PT/OTが理学療法的治療や作業療法的治療にあたっています.

診-診連携・病-診連携

上述の内科医との連携に加え,手術が必要となった患者さんを手術・入院設備のある病院に紹介し,退院後は当院に戻って治療を受けていただくという病-診連携体制もとっています.この場合,紹介先の病院に手術を依頼することもありますが,自ら病院に出向いて執刀することもあります.

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当院におけるリハビリテーション

当院の特徴のひとつは,関節可動域の保持・拡大,筋力低下抑制を目的とした理学療法への注力です.フローミルという水を利用したリハビリテーション設備を用いたトレーニングもその一環です.その延長上に千葉市内の民間スポーツトレーニング施設(セントラルフィットネス ポートスクエア)のプール2レーンを週1回借り切り,歩行,関節運動,水泳などのプールトレーニングも行っています.その他,PTによる筋肉・関節の理学療法,機器を利用した筋力トレーニングなども行っています.
また,作業療法の一環として,手指巧緻作業訓練を目的に手芸や陶芸を行うOT教室も開催しています.このような患者さん同士が集いながらの訓練は,患者さん同士のコミュニケーションの場ともなり身体的なリハビリテーションに加え,精神的リハビリテーションの効果も生まれ,治療意欲の維持・向上にも有用です.こうしたトレーニングやリハビリテーションの機会はPT/OTからの患者指導の場ともなり,有機的に作用していると思います.

  • 院内のフローミルを用いたリハビリテーョン
  • 民間プールを借り切ってのリハビリテーション
  • リハビリ用筋力トレーニング
  • PTによる筋肉・関節の理学的治療
  • OTによる手芸教室
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これからのRA治療について

私が診てきた患者さんの数は,延べ20万名にのぼります.最近ではこの経験をとおして培った知識を患者さんに還元したいと考えています.RAは辛抱強く治療を継続することが非常に重要で,根気よく病気と向き合っていただくことが大切です.患者さんの受診は原則月1回ですが,たとえ状態が悪くなっていても,そのなかで良さをみつけ,次の1ヵ月も頑張ろうという気持ちで帰っていただけるよう努力しています.また,RA治療は10年,20年先を見据えた治療であるため,30歳代,40歳代の時の治療が将来の人工関節置換術必要性を左右する重要な因子となるのですが,その年代は子供の養育費もピークの時期でもあり,経済的理由で生物学的製剤の使用を諦めざるを得ない人も少なくありません.この点が解決されればRAに苦労する患者さんが少なくなると考えています.
また,当院は研修医の研修施設となっており,若い研修医にもこれまで培ったものを還元・伝承し,RAを志す医師が一人でも増えてくれればいいと願っています.

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病院のご紹介

2009年8月現在

名称 医療法人社団豊流会ツチダクリニック 千葉リウマチ,ひざ研究所
所在地 千葉市中央区弁天1-17-10
院長 土田豊実(リウマチ専門医)
開院 平成11年5月
診療科目 ●リウマチ科 ●リハビリテーション科
施設認定 運動器リハビリテーション(T)(千葉県知事認可)
常勤スタッフ 常勤医師 1名,非常勤医師 2名
理学療法士・作業療法士 7名
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土田 豊実 先生プロフィール

2009年8月現在

昭和55年 千葉大学医学部卒業
昭和62年 千葉大学大学院修了 医学博士
〜平成11年3月 千葉大学医学部附属病院整形外科学教室講師
同教室在籍中、平成2年〜同5年米国ハーバード大学医学部整形外科学教室留学(日本リウマチ学会米国派遣研修医)
平成11年 ツチダクリニック開院  現在に至る
<役職>
ツチダクリニック院長
東邦大学医学部整形外科客員講師
千葉大学医学部臨床教授
<認定>
日本リウマチ学会指導医,専門医
日本整形外科学会認定医,
日本リハビリテーション学会認定臨床医

注釈:ヒュミラ®の添付文書に定める用法・用量は以下の通りです.

ヒュミラ®添付文書より(関節リウマチのみ抜粋)

効能・効果
関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)
効能・効果に関連する使用上の注意
(1)本剤の適用は,原則として既存治療で効果不十分な関節リウマチ患者に限定すること.ただし,関節の構造的損傷の進展が早いと予想される患者に対しては,抗リウマチ薬による治療歴がない場合でも使用できるが,最新のガイドライン等を参照した上で,患者の状態を評価し,本剤の使用の必要性を慎重に判断すること.
用法・用量
通常,成人にはアダリムマブ(遺伝子組換え)として40mgを2週に1回,皮下注射する.なお,効果不十分な場合,1回80mgまで増量できる.
安全性情報の詳細につきましては,製品添付文書をご参照ください.
製品基本情報「基本製品情報」ページへ
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