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織部リウマチ科内科クリニック

【大分県】 織部リウマチ科内科クリニック 院長 織部 院長に聞く リウマチ患者さんのQOL向上へのチャレンジ

織部リウマチ科内科クリニック 院長
織部 元廣 先生

施設概要

織部リウマチ科内科クリニックは,2006年2月に 21 年間勤務した大分赤十字病院を退職後にJR大分駅近くに 私が開設した診療所です.「医療の究極の姿はその人の病を治すことであり,心がふれあうことである」という私の信条に基づき,何が病める人の役にたつかを熟慮しつつ正直な医療を行うことをモットーに,30余年の経験を活かし,心のこもった最高レベルの医療を提供しております.

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当院での関節リウマチの診断と治療の原則

図 1. ACR/EULAR 新診断基準のスコア
図 2. RA 発症予測(織部クリニック)

【診断】

関節症状を訴求して来院する患者さんの診断には,2009年米国リウマチ学会(ACR)学術集会で発表されたACRと欧州リウマチ学会(EULAR)の共同研究により提唱されたACR/EULAR新診断基準(図1: 6点以上がRA確定例) が有用ですが,患者さんに提示する場合は,過去の経験から患者さんにわかりやすいように考案した私独自のRA発症予測表(図2)を用いて,患者さんの現症に応じて3年後にRAと診断される確率を示します.
今回報告された新診断基準は各因子が影響の大きさに応じてスコア化されており,一般臨床医にも使いやすく,非常によく考えられていると思います.しかし,関節の腫脹や疼痛が変形性関節症によるものなのかRAによるものなのかを鑑別せずにあてはめてしまうと,変形性関節症であってもRAと診断されてしまう可能性も考えられます.
このような事態を避けるために,RAの場合には炎症により関節滑液の粘性が低下することが多いという所見も考慮に入れ,当クリニックでは,触診,視診,血液検査だけでなく,関節滑液粘性も診てから診断をくだすこともあります.

【治療】

当院でのRA治療は,薬物療法が中心です.したがって,RAと診断された患者さんにはRAの病態と一般的経過,患者さんごとの治療計画と3年での寛解確率,生涯に亘る治療法などを最初に提示し,長期に及ぶ治療の必要性を理解していただきます.当院では,原則として治療強度を徐々に高めるステッ プアップ方式で治療を行います.
具体的には,少量ステロイド,鎮痛剤,DMARDによる治療から開始し,非寛解者にはメトトレキサート(MTX),免疫療法を順次加え,これらの治療で奏効しない場合には生物学的製剤を用いた治療を行うというものです.
現時点ではのべ300名近い患者さんに生物学的製剤を用いた治療を行い,患者さんのQOL改善を得ることができています.多くの患者さんはその治療効果に深い満足を得られているように見受けられますが,患者さんによっては,歩けさえすれば十分だという人もいるので,そのような患者さんには従来のマイルドな治療を継続する場合もあります.

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当院での生物学的製剤を用いた治療

生物学的製剤の投与にあたっては,現在日本で使用可能な4製剤の投与方法,副作用,医療費などをシンプルにまとめた一覧表を提示し,患者さんの希望なども取り入れつつ,TNFα阻害薬を第一選択とし,コンプライアンスを重視して選択します.
皮下投与製剤と点滴用製剤の相違点は,薬剤の血中濃度上昇カーブと自己投与が可能かどうかという点です.一般的には皮下投与製剤の方が点滴製剤に比べ薬剤の血中濃度の上昇が穏やかであり,その分,急激な変化も起こりにくいと考えられます.また,皮下投与製剤は自己注射ができるため,必ずしも投与日毎の通院が必要ではありませんが,医療機関での投与を望まれる患者さんも多く,このような患者さんにおいては,2週間に1回投与のヒュミラ®は非常に大きなメリットです.
ヒュミラ®は単独で使用するよりMTXと併用することで,より高い効果が得られることは多くの臨床試験成績からも明らかにされています.当クリニックでも活動性が中等度の患者さんにMTXとヒュミラ®を併用すると多くの症例で寛解へと良好なコントロールが得られています.
また,MTXとヒュミラ®の併用は治療効果の持続といった点でも手応えを感じています.

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生物学的製剤の副作用対策

図 3. 清潔習慣の勧め
図 4. 口腔ケアの勧め
図 5. 歯科医受診啓発

生物学的製剤に伴う副作用対策において,感染症対策は重要です.学会等では1)高齢,2)ステロイド使用,3)肺疾患既往,4)糖尿病合併,5)HAQ (Health Assessment Questionnaire)低下及び低アルブミン血症が感染症発症に関連する危険因子であり,このような因子を保有する患者さんにおいては注意が必要である旨が学会等で報告され,注意喚起の啓発が行われています.しかし,これらの因子は多くのRA患者さんにおいては除去不能な因子であり,患者さんと向き合う臨床の現場では,どのようなことに注意する必要があるのかを患者さんの目線で示すことが大切だと考えます.

【院内ポスターによる感染対策啓発】

RA患者さんでは四肢の動きが制限されているため,うまく爪切りができない,髪を洗えない,トイレ後も手を使わずに温水洗浄装置による洗浄だけですませてしまう,という方もおられ,不衛生になりやすい傾向があります.したがって,手洗い・うがいの励行を唱えるだけでなく,日常生活に即した具体的事例をあげて啓発する必要があると考え,当院では,「清潔習慣の勧め」(図3)と「口腔ケアの勧め」(図4)を院内に貼り出すとともに,生物学的製剤あるいは中〜高用量ステロイドを用いる患者さんに手渡しています.この施策を開始してから肺炎や蜂窩織炎などの感染症合併症発生が大幅に減少しました.
事実,口頭で手洗い・うがいの励行を伝えていた頃の年間感染症発症率は5%程度でしたが,この1年間は1例も発生しておりません.

【歯科医との連携も感染対策の一環】

肺炎のなかでもとくに注意すべきは誤嚥性肺炎です.私が大分赤十字病院在職中に担当した患者さんのうち27名が肺炎で亡くなりました.そのうち,もっとも多かった肺炎が誤嚥性肺炎でした.
当クリニックでは前述の「口腔ケアの勧め」の貼り出し・手渡しだけでなく,誤嚥性肺炎の要因となる齲歯や歯周病を治療してから生物学的製剤投与を開始するよう呼びかけるとともに,連携・協力を頂いている歯科医を紹介しています(図5).

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当クリニックの理念 ; すべては患者さんのために

私のクリニック運営の基本方針は,院長から事務職に至る全員が患者さんの心に響く医療の提供という私の理念を共有することです.これは従業員の1人でも共有できない人がいると成り立ちません.
理念共有の手段として,全職員参加の朝礼を行い,医療関連事項の報告・連絡に加え,折りにふれ私の考え方も述べます.「患者さんに真摯な態度と笑顔で応対すること」「朝礼に出席すること」などを含む《織部リウマチ科内科クリニックの掟》や《成長が見込めない5ヵ条》なるものを従業員トイレに掲示し,シンプルかつ明解に私の気持ちの周知徹底を図っています.また,カンファランスも全員参加を基本とし,患者さん情報の共有も図っています.
コルセット,カーラー,サポーターなどの医療用材は高価ですが,当クリニックでは,カチューシャ(ティアラの形状をした前髪をおさえるヘアグッズ)に包帯を巻き付けて100円程度で提供可能な簡易手作りカーラーや,インターネット通販を利用して1個あたり1,000〜2,000円程度でまとめ買いしたサポーターを利用していただくなどの工夫により,患者さんの便宜を図っています.
さらに,RA患者さんを元気付けるために,私は10年ほど前から年2回,オリジナルの曲を披露する院内コンサートを開催しています.多くの患者さんに来場いただいていますし,CDも無料で配布しています.私の曲をふり返ってみると,昔は『辛いけど頑張って』というようなメッセージを込めた曲が多かったのですが,生物学的製剤の臨床導入に伴い,疼痛がコントロールされ,寛解となる患者さんが増えるにつれ,私の曲も『共に楽しんで生きよう』というメッセージに変わって来たことに気が付きます.これはとりもなおさず,患者さんの気持ちが明るくなってきたことの反映でしょう.

  • 織部院長と心をひとつにして患者さんを迎えるスタッフ一同
  • オリベシンガーソングライターのコンサート会場(同院待合室横)
  • スタッフ手作りの当院オリジナルカーラーを原価で提供
  • 手首,膝用サポーターもネット通販でまとめ買いして患者さんに安価で提供.
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よりよいRA治療をめざして

以前のRAではアミロイドーシスの合併症が多く,RAを患いつつ亡くなった患者さんの約40%はアミロイドの関与が疑われました.実際,剖検では約25%にアミロイドーシス病変が確認されたものでした.
しかし,今日では薬物療法の進歩により,胃カメラ検査でアミロイドーシスがみられる例は1%程度となっていますし,生物学的製剤で治療をすれば,アミロイドーシスの進行抑制も可能です.生物学的製剤には関節破壊抑制効果をはじめとする多くのメリットがあるため,「バイオの時代」は当分続くと思います.先にあげたACR/EULAR新診断基準は適応症例の選別を容易にするので,生物学的製剤普及を後押しすることになるでしょう.長年RAと向き合ってきましたが,こうした進歩をみることができたことを幸せに思います.
今後も当クリニックを受診される患者さんに元気をさしあげることができるように研鑽を積む所存です.その前提が医師本人の健康であると考え,12年前に極心空手2段を取得した時と同等の朝トレを続け,ギターと空手でタコのできた手をとおして,これからも,患者さんの心に響く診療活動を行っていきます.

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病院のご紹介

2010年4月現在

名称 織部リウマチ科内科クリニック
所在地 大分県大分市東大道1-8-15 カサベルテ駅南1F
院長 織部 元廣
開院 2006年2月
診療科目 ●リウマチ科 ●内科
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織部 元廣 先生プロフィール

2010年4月現在

昭和50年3月 順天堂大学医学部卒業
昭和50年5月 九州大学温泉治療学研究所医員
昭和53年5月 大分県立病院第1内科勤務
昭和57年6月 国立別府病院理学診療科 医長
昭和60年6月 大分赤十字病院第3内科 部長
平成12年4月 大分赤十字病院 副院長(リウマチ科部長兼任)
平成18年2月 織部リウマチ科内科クリニック 院長
<資格>
日本内科学会認定医
日本リウマチ学会指導医、認定医
日本リウマチ学会評議員
九州リウマチ学会評議員
日本臨床リウマチ学会理事
日本東洋医学会認定医
日本糖尿病学会会員
日本臨床血液学会会員
日本アフェレーシス学会会員
<主要著書(共著含む)>
リウマチケアハンドブック
内科学書(文光堂):リウマチのリハビリテーション
消化器病学:膠原病の消化器病変
鎮痛抗炎症剤の選び方と使い方
リハビリテーション -物理療法-
運動器の痛み -診かた・治し方
リウマチの生活革命
101のリウマチ物語     他多数

注釈:ヒュミラ®の添付文書に定める用法・用量は以下の通りです.

ヒュミラ®添付文書より(関節リウマチのみ抜粋)

効能・効果
関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)
効能・効果に関連する使用上の注意
(1)本剤の適用は,原則として既存治療で効果不十分な関節リウマチ患者に限定すること.ただし,関節の構造的損傷の進展が早いと予想される患者に対しては,抗リウマチ薬による治療歴がない場合でも使用できるが,最新のガイドライン等を参照した上で,患者の状態を評価し,本剤の使用の必要性を慎重に判断すること.
用法・用量
通常,成人にはアダリムマブ(遺伝子組換え)として40mgを2週に1回,皮下注射する.なお,効果不十分な場合,1回80mgまで増量できる.
安全性情報の詳細につきましては,製品添付文書をご参照ください.
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